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◆奥秩父日記◆


初日 2004年5月15日(土)

 今、これを書きながら関越道を走っている。
 空は晴れているような曇っているような薄ぼんやりとした水色。
 時間は朝の7時半。
 高坂SAの手前、遠方に山々のシルエット。
 こうして秩父で飲んだくれる予定のおかしな休日は始まった。

 8時頃、花園ICを降りる。
 目的地の大滝村は埼玉県だが、群馬県、長野県、山梨県、東京都にぐるりと取り囲まれている。
 東京から行く場合、花園ICを使うと遠回りなような気がして地図とにらめっこしてみたが、道路の蛇行具合など見る限り、やはり花園経由が無難そうだ。
 時間がかかると子供たちが飽きるし、レナは酔いやすいのであまり山道を走りたくない。

 降りてすぐマクドナルドを見つけたので、ここで軽く朝食にしようと思ったが、ちょうどテレビでセーラームーンが終わりぴちぴちピッチが始まったので子供たちは終わるまで待ってくれと言う。仕方ないのでさらに先へと車を走らせることになった。
 二週間前の福島と違い、この先にもまだ食べるところはあるだろう。

 長瀞を左手に見下ろしながら秩父往還を行けば、宝登山の鳥居が見えた。ここはロープウェイで上がると小さな動物園がある。ここで遊んでいくのも良さそうだ。

 でもまずは食事。
 ガストを見つけて入ることにした。
 腹ごしらえを済ませて・・・と。

 本当はこのあと苺狩りをしようと思っていたがお腹が一杯になってしまったのであきらめた。
 カナが公園で遊びたいというので、あしがくぼ果樹公園村へ行ってみることにした。

 ここは山の南面にいくつかの果樹農家が集まっており、それらを総称して芦ヶ久保果樹公園村と呼んでいる。果物狩りができる農園のほか、ローラーコースターのある遊び場や蕎麦打ち体験のできる資料館、バーベキューの出来る食事処などがある。
 
 芦ヶ久保に着く前に、羊山公園という公園が見えてきた。芝桜はこちらといった看板がある。
 ここも公園だし、芝桜、見ていきますか?

 駐車場はいくつかあるが、芝桜に一番近いところに停めることにした。
 たこ焼きや焼きそばの出店が出ていて、駐車場はまだかなり空きがある。
 すぐそばに羊の柵があり、数頭の羊がうろうろしている。羊山公園だから羊なんだな。
 子供たちが近づくと、餌をくれると思うのか、柵の側に寄ってきた。

 肝心の芝桜はもう終わっていた。
 ちらほらと白や紫の花はついているが、パッチワークか絨毯のように見えるにはほど遠い。看板にはゴールデンウィーク頃に撮影された写真が載っていた。そのころが見頃だったのだろう。残念。

 子供たちがつまらないと言うので、ここはこのくらいにして、当初の目的の芦ヶ久保に行こう。
 駐車場に向かう道すがら、カラスノエンドウを見つけて摘んできた。子供たちが旅行に持参した人形のご飯を作るのによさそう。

 上野町で299号線に左折。
 すぐに武甲温泉の看板がある。
 今日はキャンプ場に行く途中の道の駅にある大滝温泉にしようかと思っていたけど、武甲温泉の方がいいかな。

 芦ヶ久保果樹公園村は日向山の斜面だが、麓に真新しい道の駅があり、そこで各果樹園の受付などしているようだ。
 とりあえず登ってみると、今日の苺狩りはこちらの農園でできますといった表示があり、三軒ほどの果樹園の札が下げられていた。
 最初は秩父に着いたら苺狩りをしようと思っていたのだが、先ほど朝食を済ませたばかりだから、カナもレナも体を動かした方がいい。果樹公園村の中に横瀬町農村公園があるのでそこで遊ぶことにしよう。

 農村公園のメインはゴムローラー滑り台。
 いいなと思ったのは、ローラー滑り台のスタート地点に水泳で使うビート板が備え付けてあること。これをお尻の下に敷いて滑るのだ。うーん快適快適。
 よくローラー滑り台に新聞紙や段ボールを持参してきて滑っている子供たちがいるけどビート板は考えたことがなかった。サイズといい、厚みといい、ぴったりだ。

 この公園には他に、ロープを使った遊具や池があり、黄色い菖蒲がたくさん咲いていた。
 とにかくひと気がない。私たちの他には誰もいない。好き放題だ。

 パパが池の片隅で大量のおたまじゃくしを発見。
 いやはやもう凄い量。気持ち悪くなるくらいうじゃうじゃいる。よっぽどここはおたまじゃくしの孵化に向いた条件なんだろう。
 カナとレナを呼び寄せ、おたまじゃくしを手づかみで捕獲し始めた。
 ええっ、本当にこれを飼うの?
 カナ、今はおたまじゃくしだけど、そのうち後ろ足が生えてきて、前足も生えてきて、しっぽが短くなって消えて、最後はカエルになっちゃうんだよ。
 「そうだよ、こんなのになるんだよ」とパパが草むらから青ガエルをつかんでおたまじゃくしの器に入れた。
 カエルはぴょんと一跳び、池に逃げていった。

 帰りがけにふと横を見ると目に付いたクローバー一本。
 あっ、もしかして四つ葉?
 やったぁ、幸運の四つ葉のクローバー見つけちゃった。

 お金も掛けずに結構楽しく遊んでしまった。苺狩りは明日だね。今日はこれから一風呂浴びて、宿泊するキャンプ場に向かうことにしよう。
 パパにどこがいい?と聞かれる。
 行く道すがらの大滝温泉か、さっき看板を見かけた武甲温泉
 パパは天気がいいから露天風呂があるところが良いという。大滝温泉には露天風呂は無いんだよね。そうしたら武甲温泉かな。一応、秩父最大の露天風呂とうたっていることだし。

 ところがこれが失敗だった。
 いやいや施設は綺麗だし、脱衣所にベビーベッドもあるし、休憩室はご丁寧にカラオケ付きとカラオケなしの両方を備えてある。隣にはキャンプ場と川なんかもあって、温泉の駐車場がいっぱいだったらキャンプ場の駐車場をお使い下さいと書いてあったり、夏なんかは川遊びついでに温泉なんて楽しみ方もできるらしい。

 だけど塩素臭いのよ。

 浴室に足を踏み入れたとたん、鼻を突くカルキの臭い。
 流石にこないだの坂下温泉糸桜里の湯ばんげみたいに塩素剤がそのまま沈めてあったりはしなかったけど、ちょっとあれがトラウマになっていたので、またか、という思いは否めなかった。

 中央に小さめの浴槽、外側に圧注浴もある大きな浴槽。他にサウナと水風呂、露天風呂がある。
 印象的なのはお湯の色。蛍光灯のせいなのか、蛍光がかった薄い黄緑色に見える。
 軽いにゅるにゅる感がある。

 もしかしたら露天風呂の方は掛け流しとかカルキ臭無しとかそういうのもあるかもと、露天に行けばこれまた内湯の倍は強いカルキ臭。
 本当はカルキのことなんか何度も書きたくないし、他に悪いところのあるお湯でも無いのだが、何というか、自分が入っていて楽しくない温泉だなと思った。残念だ。

 露天風呂は天気がよいのでその分気持ちが良かったが、東屋風の屋根がついた四角い作りは、取り立てて個性的でもなく、秩父地方最大サイズといっても大きさだって大したこと無い。囲われていて見晴らしが良いわけでもない。
 なかなか良いところを探すのも大変だ。

 最後に内湯の小さい浴槽に入ってみたら、ここが一番カルキ臭が薄かった。その分、何かしらの臭いが嗅ぎ分けられそうな気がしたが、どうしても何と言い切れない薄さだった。
 子どもたちもここはあまりお気に召さず、早々に上がることになった。
 湯上がり、肌はなかなかすべすべになっていたが、pH10.49と相当な高アルカリ泉であるにしては弱いかもしれない。

 ところでここは脱衣所から繋がったところにサンデッキというかテラス席のようなものがある。ベンチや自販機(ビールも売っている)があって、露天風呂がよく見える。裸でも服を着ても太陽の下で休めるちょっと変わったスペースになっている。
 子どもたちはここがいたく気に入って、冷水サーバの水をコップに入れて持っていっては、裸のままそこで涼んでいた。
 このスペースで好きな飲み物を飲んで水分補給してから、またお風呂にはいるなんて楽しみ方もあるんだろうな。
 返す返すもあのカルキ臭がもったいなくてならない。

 お風呂から上がったら、待っていたパパが「ここはよっぽど子どもたちが気に入ったの?」と聞いた。
「うん、お風呂じゃなくて、脱衣所のテラスがね」

 お昼は軽めに蕎麦でも食べようかということになった。
 秩父も実は蕎麦どころなのだ。
 武甲温泉のロビーで蕎麦屋のちらしを見つけた。さっき見た羊山公園の麓あたり、ちょうどこれから行く道すがららしい。
 140号線沿い。熊谷方面からアクセスすると、299号線との交差点を越えて、西武鉄道の高架を潜って少し行ったところ。
 十割蕎麦のみやび庵。
 ここがまた美味し〜い蕎麦屋だった。

 紫の暖簾が印象的だ。隣にはギャラリーなどもある。
 中もなかなか洒落たつくり。
 ここはとにかく十割蕎麦に拘っている。そば粉とつなぎに使う小麦粉は茹で上がるまでの時間が違うので、一般的な二八蕎麦では小麦粉にきちんと火を通すとそば粉の方は茹ですぎになってしまうという。そこで十割だ。これならベストの茹で加減で食べることができるというわけだ。
 水にも拘りあり。秩父の名水、武甲酒造の仕込み水を使っているのだそうだ。

 季節の蕎麦として、よもぎ蕎麦とさらしな蕎麦きりの二色盛り合わせがあった。これを頼んでみる。
 出てきたのは、春の若木のような緑色のよもぎ蕎麦と、綺麗な透き通った真っ白なさらしな蕎麦だった。さらしな蕎麦というのは、蕎麦の実の芯から採った一番粉だけで打った蕎麦を言う。
 美味しい。
 歯ごたえが絶妙。
 味も・・・。
 さらしな蕎麦きりはすっきりと透明感のある味。よもぎ蕎麦はよもぎの香りがふわっと広がる。子どもたちも気に入ったみたいで、あっという間に皿は空っぽになってしまった。

 このあたりで2時を回ってしまい、あとはまっすぐキャンプ場へ向かうだけ。
 140号線をまっすぐ行けば、ルート上で最後の道の駅大滝温泉を過ぎてT字路に突き当たる。
 左は三峰神社や秩父湖、右は中津峡と書かれている。
 右に折れるとあたりの景色は山深くなり、所々に紫の花が滴るように咲いている。1〜2週間前の滑川は山桜だったが、今の秩父は山の藤が満開。滑川の緑が春まだ浅い若々しい黄緑色だったのに対し、秩父の山は既に夏のような濃緑色だった。

 ループ橋もある。ちょうどダムを建設中だ。中津川の水を溜めて、新しいダム湖ができるのだろうか。

 景色は山の中なのに、道は広く新しい。
 ついうっかり中津峡方面の表示を見落とし、直進してしまった。トンネルの中で過ちに気づく。道が新しいのでカーナビが反応しないのだ。このまま真っ直ぐ行ったら甲府だ。引き返そう。

 戻り、トンネルとトンネルの間に中津峡方面への枝道を見つける。
 この道もやはり広く新しい。辺りの景色は切り立つ崖や鬱蒼とした緑でいかにも秘境然としているのに、道だけがぴかぴかで不思議な気がする。
 曲がって二つ目のトンネルの名前が「芋掘りトンネル」。ちょっと笑える。

 そろそろキャンプ場かなと左手の川を見下ろすと、吊り橋が見えた。中津川村キャンプ場は、オートキャンプ場と普通のキャンプ場と二つあり、同一経営で距離は2キロほど離れている。
 今回の宿泊地は普通のキャンプ場の方で、駐車場から吊り橋を渡っていくと聞いていたので、きっとあれがそうだろう。

 すぐ前を走っていた車も、同じ目的地を目指していたようで駐車場の方に降りていった。
 今日はキャンプ場は貸切状態だと聞いていた。今夜の仲間かな。

 やっぱりそうだった。
 かわさんとおかかさんの二人が車から降りてきた。
「こんにちはー」
 いつぞやの金島温泉富貴の湯以来だ。

 実は蕎麦屋を出てから山道を行くうちに、カナもレナも相次いで寝入ってしまっていた。
 二人を運ぶ前に、泊まるバンガローを確認しておこう。起こさずに部屋まで運べれば御の字だ。荷物を運ぶための孤輪車もいる。
 子どもたちはパパに見ていてもらって、一人で先に吊り橋を渡れば、眼下には中津川。綺麗だなぁ。浅くて子どもが水遊びなんかするのにぴったり。夏に来るのも楽しそうだ。

 とりあえず管理棟の方へ。
 ちょうど管理人の奥さんがいらした。
「予約された方? そうしたらこの上のバンガローですよ」
 行ってみると荷物だけが置いてあり、ひと気がない。
 再度引き返して事情を話すと、みんなが荷物を置いている棟とは別の棟を教えてくれた。よし、ここに子どもたちを運び込もう。どうも先に着いたメンバーは、既に一風呂浴びているらしい。中津川村キャンプ場は、温泉付きキャンプ場なのだ。

 荷物運搬用にお借りした弧輪車を押しながら駐車場に戻り、マットやシュラフ類を積んだ。子どもたちを運ぶ前に寝る準備だけ整えておこう。

 結局レナはバンガローについてもそのまま寝付いてしまったが、カナは目を覚ました。バンガローにはコンセントもあったので、いつも車に積んでいるテレビデオも運び込んだ。
 山の中のバンガローに一泊するだけで、ビデオまで持ち込む我が家ってつくづく邪道だなぁ。

 ばたばたと荷物を運んだり私たちが走り回っているうちに、他の方々はお風呂から上がられたようだった。
 先ほど駐車場でお会いしたかわさんとおかかさんのご夫妻と、今回の幹事のだださんを除くとみなさん初対面だった。
 埼玉の温泉に詳しいシバクさんとちいくぅさんご夫妻、埼北温泉愛好会の義満さんとHIROさんだ。

 いいお風呂ですよーと言われ、早速おかかさんと二人で入らせていただくことにする。
 川沿いの湯小屋で、今の時間は檜の内湯が女湯、岩の露天が男湯に設定されていた。
 中を覗けば・・・うわー、いい感じ。
 四角い木の浴槽に鉄錆のような真っ茶色の濁り湯。窓を開ければ中津川とさわやかな新緑。これは幸せになれそうなお風呂だ。

 ちょっとぬるめ。というかまだ攪拌されていない。熱いところと水みたいなところがある。
 鉄分の中に甘みのある味。
 のぼせずのんびりいつまでも入っていられそうだ。

 おかかさんともゆっくり話すことができた。
 ご主人のかわさんがしばらく療養生活をしていると伺っていたので心配していたが、今はよくなられて以前のように少しずつ温泉巡りを始めているということだった。
 カナとレナが丈夫ですねと言われて、そうかと気づいた。
 確かに毎月連れ回しているにしては、ほとんど病気になったことがない。扁桃腺になりやすいので冬場は時々病み上がりに旅行していることもあるが、旅先で熱を出したのはいつぞやの伊香保ぐらいだ。

 とにかくおかかさんとかわさんご夫妻は若々しくて、とても大きなお子さんがいるようには見えない。
 私たちもいつかこんな風になれるかしら。なれたらいいな。

 お風呂から上がると、管理棟のところに女の子がいることに気づいた。
 子ども連れはうちとあとはyuko_nekoさんだけだから、あれはyuko_nekoさんちのちび姫ちゃん。
 隣に背の高い女性がいたのでこちらがyuko_nekoさんかと思って呼びかけたら、ちょうどレンタルした布団を持ち上げていた別の女性が振り返った。
 こちらがyuko_nekoさんで、もう一人は大野あやさんだった。
「どうもー、初めまして」
 yuko_nekoさんは想像していたとおり、しっかり者という雰囲気でパワフルだった。
 あやさんはちゃきちゃきと明るい人だ。
 ちび姫ちゃんは知らない大人に囲まれてちょっと不安そう。
 とりあえずレナの寝ているバンガローに案内した。
 子どもたちは一緒の方がいいし、あそこにはおもちゃもビデオもある。
 ちび姫ちゃんにカナを紹介すると、すぐに二人で遊び始めた。ちび姫ちゃんは小学校二年生、カナは小学校一年生。仲良くしてくれるといいな。

 そうこうしているうちに、既に夕食の準備は始まっていた。
 炭をおこすのはうちのパパ、取りたて鮮度抜群の山菜天ぷらはtakayama隊長。会津の鬱金入りカレー部隊はあやさんと晶さんとミーニャンさん、あとは・・・幹事のだださんが、いしる鍋の材料があるという。
「いしる鍋!」
 yuko_nekoさんの目が輝いた。
「任せて下さい」
 うーん、これでいしる鍋の鍋奉行はyuko_nekoさんに決まり。

 カレーを作るならお米はどうしよう。
 takayamaさん直弟子、太陽三つ分も明るい芸術家肌の晶さんが、飯ごうでご飯を炊くのは得意ですと胸を張って仰る。
 飯ごういくつ分のお米だろう。えーとえーと・・・。
 結局鍋で炊くことにした。
 ちいくぅさんが水加減を見て、うちのパパが竈の世話をする。はじめちょろちょろ、なかぱっぱ。ご飯には炭じゃなくて薪だろうと、パパはバキバキと細目の薪を足で折った。

 いしる鍋のための野菜を切ったりしていると、時々熱々の鶏とか山菜が、焼酎と一緒に差し入れられる。
 そうだ、今日は焼酎を飲み尽くす会。
 焼酎漬けの日々を送っている紺碧七さんを救うため(巣くうため?)、友人一同が彼の焼酎をこの世から消し去ろうと立ち上がったのだ(秘密結社 紺碧七を救う会、別名 既酒乱(きしゅらん))。
 焼いた烏賊が一皿来たときにはすかさずyuko_nekoさん、「烏賊にはいしるだ」。
 ちょちょっと、いしるをつけていただくと・・・おお、絶品。

 切ったり飲んだりしているうち、ご飯も炊けた。
 こちらも完璧。
 みんなが「!!」と感嘆符を跳ばす出来。
 カレーも美味しいよぅ。
 いしる鍋も。
 でもやっぱり山菜天ぷらか。
 お酒も天使の誘惑は主張の強い焼酎。フロリストさん差し入れの村尾、鳥飼もすっきりと美味しい。ビールは飲めないので悪魔や修道院のビールは遠慮。

 その間、子どもたちは三人で卓を囲んでカレーを食べて、部屋に戻ってビデオを見たりしていた。
 ちび姫ちゃんは「白雪姫」は苦手なので「アンパンマン」の方がいいのだそうだ。
 さっきは女湯は檜の内湯だったけど、今夜は貸切状態だし、特別に管理人さんが夜は男女交代にしてくれた。
 夜のお風呂は露天風呂。子どもたちを引き連れて、yuko_nekoさんと行ってみる。さっきより少し熱めに湧かしてあるから結構のぼせやすい。でもやっぱり良い湯だ。
 昼間入った武甲温泉が癒されなかったから、その分中津川温泉では幸せを感じるなぁ。

 子どもたちは三人で仲良く遊んで、夜は10時を回ってしまった。
 最後に「眠れる森の美女」を見る。これが終わったらみんな寝るんだよ、いいね。

 カナとレナはシュラフにくるまって、ちび姫ちゃんはレンタルの布団で眠りについた。キャンプ場で借りた毛布はそれだけで寝るにはあまりに心許なかったので、万が一のために持参したコタツ用毛布を上から掛けてみた。
 夜は結構冷える。
 明け方に風邪なんて引きませんように。

 さて、子どもたちが寝静まった後は、そう、団らんの時間(笑)。
 yuko_nekoさんと二人、みんなが紺碧七さんを救うために飲んだくれているはずの囲炉裏付きバンガローへ向かった。
 みんな、盛り上がってるかなぁ。

 おおっ、煙い。囲炉裏の煙がもくもくと部屋に充満している。
 ここで飲んでると薫製になっちゃうよ。
 かわさんご夫妻は既にお休みになられて、主役のはずの紺碧七さんも撃沈したまま、あとはみなさんお揃いで?
 そういえばこばちゃんはどうしただろう。さっき紺碧七さんに聞いたところでは、夜から参加されると言っていたが。
(こばちゃんは、後から聞いた話では、夜なので場所がよく判らず、探し回った末、車中泊したそうです。お疲れさまでした。)

 ところで私はあんなにtakayamaさんが負けず嫌いの人とは知らなかった。負けない負けないを連発するtakayama師匠に突っ込んだのは直弟子、晶っちさん。
「人生、勝ち負けじゃない。勝ち負けを意識したときには人生、負けてるんだ」
 おおう、晶さん名言集ができそうだね。

つづく・・・

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