子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質★★★☆☆ お湯は適温、滑りやすい泉質なので注意
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★☆☆ 浴室が貸切なので子連れ家族にも使いやすい
子連れ家族のための温泉ポイント
探していたさかえ館がなかなか見つからない。地図で確認すれば月岡温泉の月姫広場の斜め前、角っこのわりと良い場所にあるはずなのだが、そこに建っている建物は、何かの間違いとばかりにどこにも宿の看板が出ていない。ぐるりと周りを回ってみたが、本当にまったく看板が無い。普通の民家ではないと思うが、どこかの企業の保養所とか、合宿所とか、とにかく一般向けに営業している宿泊施設には見えなかった。
こうなったら入って聞いてみるしかない。なんたって場所はここで合っているはずだから。
夫は宿泊している冠月に戻ってゆっくりしたいと言うので、私一人でガラスの引き戸に手を掛けた。
ドアがガラスだったのでここにきてようやく間違っていなかったことが判った。
玄関の中に「内湯 さかえ館」と墨で書かれた木の板が立てかけられていたのだ、恐らくは昔は玄関の横に貼られていたとおぼしい板が。
ここがさかえ館で間違いないことは理解したが、何故に中に宿名の看板を置く!? まさか廃業してるとか? いやな予感が脳裏をかすめる。
GWと言うのに館内はシンとして人の気配が無い。しばらく立ち尽くして、誰も来ないので声を張り上げようとしたら、廊下を回ってひょろっとして飄々とした雰囲気の男性が現れた。あまりに普通の雰囲気だったので、さかえ館の人なのか、単なる客か判断に困る。
お風呂に入らせてもらえるか伺うと、350円ですと言って、浴室を見に行ってくれた。
「空いてるからどうぞ。浴室前の廊下にスリッパを置いておけば使用中であることがわかるから大丈夫」とのこと。
どうも男湯・女湯という区別ではなく、貸切で使える浴室が大小ひとつずつ(片方は単なる浴室、小さい方は家族湯と呼んでいる)のようだ。両方開いているから大きい方へ入れることになった。
まあ大きいと言っても小ぢんまりとしているが。
脱衣所は家庭用の脱衣所に毛が生えたレベル。でも禿げ掛けた木製の棚に脱衣籠が九つ。そんなに大勢で入れるお風呂とは思えない。
浴槽のお湯は綺麗な透明緑色。そうそうこれ、イメージしていた月岡温泉。
お湯の温度はごく適温。お湯の表面から漂うにおいは傷んだゆで卵臭だが、備え付けのコップで湯口のお湯を飲もうとすると、揮発してくる油のにおいがめちゃめちゃ強い。
味はにがまずい!塩味もプラスしてえぐい。でも後味はこんがりパンに甘さもあって悪くないじゃない・・・と思ったら、最後に油ぎとぎとで裏切られる。
滑る肌触り。うーん、さすが美人の湯。これはいい感じ。
窓から光が差しこむと、お湯の表面に油のマーブル柄ができていることに気付いた。光の反射で虹色に光ってなかなか綺麗。お湯も美人級。