鳴子温泉 東多賀の湯

白濁した源泉に木の浴槽

  • 所在地 〒979-6822 宮城県大崎市鳴子温泉字新屋敷160 TEL 0229-83-3133 FAX 0229-83-2641
  • 公式サイトURL http://higashitaga.net/
  • 泉質 含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉(低張性弱酸性高温泉)
  • 立ち寄り入浴料 大人500円
  • 日帰り入浴受付時間 10時~15時
  • 設備等 男女別内湯
[2006年9月のデータ ただし日帰り料金・受付時間は2015年5月のデータ]

子連れ家族のための温泉ポイント温泉ランキング

  • 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆  湯温は適温、泉質はアトピーに効果あり
  • 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★☆ お湯は乳白色で底が見えないので子連れは気を付けて

鳴子温泉 東多賀の湯 体験レポート

鳴子温泉 東多賀の湯の外観

 日本中に温泉郷と呼ばれる所は数多くあれど、狭い範囲でこれほどバリエーション豊富な泉質が楽しめるということにおいて、宮城県の鳴子温泉郷はなかなかに貴重な存在だ。
 鳴子温泉郷では透明、白濁、緑に黒に茶と色も様々だが、臭い、肌触り、浴後の温まり方などそれぞれに個性豊かな源泉がこれでもかと揃っている。

 中でも知られているのは、隣り合って建つ東多賀の湯と西多賀旅館の源泉が、それぞれ白濁と緑色、酸性とアルカリ性と、まるで異なる性質を持っていることだろう。
 東多賀の湯は鳴子温泉郷でも日帰り入浴を受け付け始めた宿の草分け的存在だ。

 秋の初め、時折細かい雨のしのつく中、乳白色の湯の待つその東多賀の湯を訪ねてみた。

 玄関前では手入れの行き届いた花と、ガーデニング用の緑のパラソルが目を引く。湯治宿という前印象が強かっただけに意外だ。女将さんが丹誠込めて植物の世話をしているのだろう。
 もうひとつ意外だったのは、駐車場が混雑していた割に、浴室が貸切でどうぞと言わんばかり、無人で迎えてくれたことだった。

鳴子温泉 東多賀の湯のお風呂

 正方形に近い木造の浴槽は僅かに青みのある真っ白なお湯を湛えて、湯口も縁もお湯の流れていく床の簀の子も全て白いペンキを一度塗った後にはげてきたような味のある色に染まっている。
 こぢんまりとした感じの浴室だが、その分落ち着く。
 これはこれで顔がにんまりしてしまうくらい好きな雰囲気。
 白濁した硫黄泉には絶対岩じゃなくて木の浴槽、しかもこの小さめの正方形というのが何故かぴったり決まっている。

 かなり熱そうに見えたのに、お湯はぬるめだった。
 アトピーにもよく効くという東多賀の湯は硫黄の臭いが強い。火山性の刺激的な臭いでつんとくる。

 上がり湯専用の湯口もあって、そこからも源泉がどぼどぼと出ている。それを受けるために洗面器が置いてあるが、お湯はそこから絶え間なく溢れて流れていく。

鳴子温泉 東多賀の湯の上がり湯

 洗面器から溢れ続けるお湯って言うのが、ひとつ良い温泉として憧憬するイメージでもある。
 ここはその印象をたがえない、極上の温泉の一つだと思う。

 湯口のお湯をちょっと飲んでみた。
 苦いなぁというのが第一印象。苦すぎはしないけれど、美味しいとは言えない味。
 ここはこう、一人で独占したい湯船。
 みんなでわいわい入りたい湯船もあるけれど、ここは一人で黙って入って静かに天井なんて見つめていたい。

東多賀の湯は湯けむりの町鳴子温泉案内人 屋代さんに案内していただきました。