東鳴子温泉 初音旅館

JR陸羽東線・鳴子御殿湯駅前の湯治宿

  • 所在地 〒989-6811 宮城県大崎市鳴子温泉鷲ノ巣90 TEL 0229-83-2166(9時~21時)
  • 公式サイトURI http://www12.plala.or.jp/HATUNE/
  • 泉質
     混浴第三浴場 ナトリウム-炭酸水素塩泉(純重曹泉 低張性中性高温泉)
     宿泊者専用第二浴場 ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物硫酸塩泉(含食塩-重曹泉 緩和性低張高温泉)
  • 立ち寄り入浴料 大人300円
  • 設備等 混浴内湯(但し場合によっては別源泉の宿泊者専用男女別浴室に案内してもらえることもある)
  • ※日帰り入浴については、宿泊客優先で断られることも多い
  • ※湯治場ではあるが、小さい子供連れ家族の宿泊も歓迎するとのこと
  • ※こちらの頁で使用している写真は2006年のものですが、現在は館内撮影禁止となっているようです。
[2006年9月のデータ  ただし一部は2016年1月のデータ]

子連れ家族のための温泉ポイント温泉ランキング

  • 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆  湯温は適温、泉質は心配なし
  • 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 宿泊すれば家族風呂などもある

東鳴子温泉 初音旅館 体験レポート

東鳴子温泉 初音旅館の外観 東鳴子温泉 初音旅館の混浴黒湯
東鳴子温泉 初音旅館の外観と、黒湯の満ちる混浴の第三浴場

 小雨が降りだした中、どことなく薄暗い感じの木造旅館はまるで廃校になった学校の校舎みたいな感じだった。
 ややとっつきにくい印象がある。
 やっているんだかいないんだか判らない外観だ。

 駐車場に車を停めてタオルを手に降りると、どこからかきりっとした感じの背筋の伸びた女性が出てきた。
 着物姿だ。たぶん初音旅館の女将さんだろう。
 「日帰りでお風呂に入れていただきたいのですが・・・」
 女将さんは歓迎よりは拒絶を感じさせる口調で、どうしてうちを選んだのですか?といったような言葉を口にした。
 ここを教えてくれた人の名を上げて、その方の紹介でぜひとも初音旅館のお風呂にと思ってわざわざ来たのだと伝えた。
 女将さんは心当たりが無さそうな表情を浮かべたが、それでも闇雲にここに来たのではなく、誰かの紹介では仕方ないと言わんばかりに、どうぞと玄関口へ案内してくれた。
 「但しうちのお風呂は混浴ですよ。それでも宜しいのですか?」

 結局、この宿の目玉である混浴の第三浴場には先客がいたので、男性陣だけそちらに入れてもらうことにして、女性陣は宿泊者専用の第二浴場に案内してもらった。
 ぎしぎし鳴りそうな古びた廊下がいかにも湯治場的な雰囲気を醸し出している。

東鳴子温泉 宿泊者専用浴室 湯治場的雰囲気の館内
宿泊者専用の赤湯共同源泉浴場と、湯治場らしい雰囲気の館内

 宿泊者専用浴室を覗き込むと、鄙び度満開だったこの宿には似つかわしくなく、改装してそれほど経っていないような板の色も真新しいなかなか小綺麗なお風呂だった。
 ひょうたん型の湯船で、部分的に岩を積み上げたような壁から湯口が出ている。隣に天井の繋がった別の浴室がちらりと見えていて、あちらは家族風呂かしらと思った。

 少し残念だったのは、お湯の色がほぼ透明だったこと。
 別源泉にしろさっきの黒い湯に近い湯に入れるのではないかと思っていたから。
 まあ温泉は色だけじゃない。

 ここのお風呂は臭いが強かった。今回鳴子で入った中でダントツの油臭だ。あまりに油の臭いが強くて、湯面から油分が揮発しているような気がしてくる。
 ぬるつく感じはしない。どちらかというときしつくぐらい。透明に見えたが入ってみると僅かに白濁りだった。

 ちょっと源泉を飲んでみると、舌で感じる味よりも鼻から入ってくる臭いの方が強すぎて、薄めたガソリンを飲んでいるような気になってしまった。
 湯上がり肌はすっきりすべすべ。

初音旅館の宿泊者専用浴室の湯口
初音旅館の宿泊者専用浴室の湯口

 初音旅館の宿泊者専用浴場のお湯は、まるみや旅館などにも引かれている赤湯共同源泉に独自源泉をミックスしたもの。
 初音旅館では日帰り入浴で複数のお風呂をはしごすることを禁じているので今回は真っ黒な湯の混浴浴室に入ることはできなかった。

 着物姿の女将さんは外まで見送りに出てくれた。
 「うちには三つお風呂があって、全て源泉が違うのです。もちろん全部掛け流しです」
 そして私たちの方を見てこう言った。
 「本当は黒い方のお風呂に入れてあげたかったわ。でもそれは次の機会にね。そして三つ目のお風呂は泊まってからのお楽しみ」

 なんて商売上手な女将さんなんだ。
 仕方ない、次はとりあえず黒湯の大浴場を目指してまた来ることにしよう。