川渡温泉【鳴子温泉郷】藤島旅館

鳴子温泉郷で夜中まで日帰り入浴を受け付けてくれる旅館

  • 所在地 〒989-6711 宮城県大崎市鳴子温泉字川渡84 TEL 0229-84-7412 FAX 0229-84-7671
  • 公式サイトURI http://www.naruko.gr.jp/ryokan-fujishima/fujishimaryokan-1.htm
  • 泉質 ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉(単純硫化水素泉)
  • 立ち寄り入浴料 大人200円、子供(赤ちゃんから小学生)100円、入浴しない入館者100円
  • 営業時間 7時~24時
  • 設備等 男女別内湯

[2006年9月のデータ  ただし日帰り料金・日帰り受付時間は2015年3月のデータ]

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  • 温度★★★☆☆ 泉質★★★★☆  温度は少し熱め、泉質は心配なし
  • 設備★★★★☆ 雰囲気★★★☆☆ 脱衣所にベビーベッド代わりになりそうな長椅子有り、休憩スペースがあちこちに有り

川渡温泉 藤島旅館 体験レポート

川渡温泉 藤島旅館の外観 川渡温泉 藤島旅館のロビー
夕暮れの藤島旅館 正面に見える廊下の先には宿泊者用の浴室

 東北道古川ICからアクセスすると、鳴子温泉郷でも一番手前にある温泉街が川渡(かわたび)温泉だ。
 川渡と言えば、脚気川渡と呼ばれ、ビタミンB1が欠乏することにより末梢神経障害や重い場合は心不全などの症状を起こす脚気に良く効く温泉として知られてきた。

 中でも藤島旅館では関節痛に特効のある真癒の湯に入ることができる。
 この旅館、どっしりとした外観と立派な日本庭園を持つ由緒正しいお宿であるのだが、その一方ではなんと夜中の12時まで立ち寄り入浴を受け付けてくれたり、公式サイトには二食付き8千円からの料金しか記載されていないが実は自炊湯治も可能で2千円台から宿泊できたりする。日帰り入浴料もたったの200円だ。非常に多様な面を持つ有り難い温泉旅館であると言える。

 9月の三連休。
 時刻は5時半を回っていた。
 広い駐車場は車でいっぱい。薄暗い中にぬっと瓦屋根の建物が建っている。
 木枠にガラスをはめ込んだ引き戸、広い三和土、入り口にいくつか小さな提灯なども下がっていてどことなくタイムスリップしたような風情だ。
 玄関にも廊下にも人がいる。これはお風呂も混んでいそうだ。
 玄関正面に丸い時計と年季の入った看板があり、廊下と階段が垣間見える。
 あの奥に旅館棟があり、そちらには日帰り入浴できる方とはまた別の源泉を引いたお風呂があり、こちらは通常のお風呂が清掃中である場合に限り立ち寄りでも入浴させてもらえると聞いていた。

 日帰り入浴できる浴室は玄関を入って右手に進み、廊下を途中で左に折れて正面突き当たり
 途中に売店やベンチがあり、風呂上がりの客たちが端々でくつろいでいる。

川渡温泉 藤島旅館の休憩スペース 川渡温泉 藤島旅館の真癒の湯入り口
浴室前の休憩スペースと日帰り利用のできる真癒の湯の入り口

 脱衣所も浴室もそこそこの広さはあるが、とにかく人も多いので落ち着かない。
 湯口から出ているお湯の量も、今まで回った他の旅館に比べると多い感じだが、それ以上に入浴客が多いのであまり新鮮な感じがしない。
 それでもこの抹茶のような渋い緑色の濁り湯は一見の価値有りだった。

 入るときしきしとした肌触り。乾きかけるとぺとぺとする。
 臭いはゆで卵系の硫黄臭だ。
 湯の花は黒く大きく、紫がかった色といい形や柔らかさといい、ちょうど磯海苔とか海苔の佃煮が漂っているようだ。
 沈んでいるのを舞い上がらせる。黒い湯の花の他に白いものもあり、さらには結合してパンダみたいになっているのもある。太いのは沖縄のモズクみたいだ。
 濃い緑の湯に黒い湯の花。ふむ、この珍妙な色の取り合わせは野沢温泉でも見た覚えが有る。面白い。
 熱すぎはしないのだがここもよく温まる。

 上がると既に日はとっぷりと暮れて、先ほど藤島旅館に着いたときにはまだ黄昏の薄闇だったのが、今はもう足下もおぼつかない、灯りの必要な暗さになっていた。

藤島旅館は湯けむりの町鳴子温泉案内人 屋代さんに案内していただきました。