万座温泉 日進舘

苦湯、姥湯、絶景露天風呂などたくさんのお風呂がある宿

  • 所在地 〒377-1528 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣万座温泉2401 TEL 0279-97-3131 FAX 0279-97-3595
  • 公式サイトURL http://www.manza.co.jp/
  • 泉質 酸性硫黄泉
  • 設備 男女別内湯、男女別露天風呂、売店など
  • 営業時間 AM10:00~PM5:00
  • 日帰り入浴料 タオル付き1000円
  • ※以前の名称は「万座温泉ホテル」でした
  • ※万座温泉ホテルには長寿の湯の他にも露天風呂極楽湯旧日進館(2007年12月で取り壊し)などがあります
[2007年10月のデータ ただし、日帰り入浴料・日帰り入浴時間は2015年4月のデータ]

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  • 温度★★☆☆☆ 泉質★☆☆☆☆  お湯は全体的には熱めだが露天風呂はぬるいことも
  • 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 

万座温泉 日進舘(万座温泉ホテル時代) 体験レポート

夜の万座温泉ホテル外観 万座温泉ホテルの逢古の水
夜の日進舘 入り口にある逢古の名水

 万座温泉ホテル(当時の名称)は万座温泉の最も古い宿であり、オーナー一族は他に万座亭、ますみ旅館、湯の花旅館、松屋ホテル、山の上ホテルあさの、ハウスユキなどを経営している。
 客室数百五十室近くの大規模ホテルで、本館の他、ホテル別館や長期滞在者をターゲットとするゆけむり荘といった設備を備えている。
 浴室は、本館内にある長寿の湯の他、展望露天風呂の極楽湯と近々取り壊し予定の湯小屋日進館を有する。
 まあとにかく群馬県で真っ白に濁った温泉に入りたかったら、ここ、万座温泉まで登ってくれば確実だ。
 源泉掛け流しは当然として、濃厚で効能豊かな温泉が高所の澄んだ大気と共に待っている。

 万座温泉には宿がいくつもあるが、縁があるのか何故か訪ねたことがあるのは万座温泉ホテルばかりで、三度目にしてようやく宿泊することができた。それまでは日帰りばかりだった。
 メインの浴室は長寿の湯だが、日帰りでは極楽湯や日進館ばかり訪問していて、長寿の湯に入るのはこれが初めてだった。
 長寿の湯は大きな浴室で、中央の浴槽は苦湯、後方は姥湯(源泉100パーセント)、苦湯の右の打たせ湯付きの浴槽が滝湯、その隣の無色透明な湯の浴槽が真湯、さらに外へ出て手前の露天風呂が姥苦湯、奥がささ湯となっている。


万座温泉ホテル別館の部屋の様子 健康志向の夕食

 万座温泉ホテルの売りは「9種類の天然温泉」だが、9種類というのはあくまでもお風呂の種類であって、源泉そのものは現在は3本。うち2本は日進館で使われているラジウム湯と鉄湯であり、これらが失われた後は1本きりとなる。
 この1本の源泉をそれぞれ採取位置を変えたり、加水したり、趣向を変えたりしたものが、現在の長寿の湯の浴槽と極楽湯に注がれている。

 昼間訪ねた長寿の湯は日帰り客で混雑していた。
 入り口の前で靴を脱ぎ、中で男女は左右に分かれるようになっている。
 脱衣棚もセンター系日帰り温泉のように沢山あって、子供連れの姿も多い。

 初めに露天風呂の姥苦湯から入ってみる。
 真っ白に白濁していて少々ぬるめ。
 大勢の人が入っているのだからお湯の鮮度がどうのと話しても仕方ないと思うが、思ったよりずっと景色は良い。
 屋根があるので開放感はあまりないが、ちょうど浴槽が細長いのでみんなで内湯を背にして座ると、目線の高さに景色が見えるようになっている。

 ささ湯には年輩の人が一人入っているだけだった。
 こちらはお湯が少ない。浴槽の半分ぐらいしか溜まっていない。さらに姥苦湯よりぬるかった。
 振り向くと源泉をそそぎ入れるパイプは一本で、姥苦湯とささ湯の両方に入るようになっている。この二つの違いは、ささ湯の方にネットに入れた笹の葉を沈めてあることだけだ。

 その後、内風呂の姥湯に入ってみた。
 ここだけ源泉100パーセント。すなわち加水せずに冷却して使用している。
 姥苦湯やささ湯とは感触が違うような気がする。
 見た目も濁りが少なく、臭いは強くは無いが肌に染み通るような感じがする。

万座温泉日進舘の姥苦湯 夜の万座温泉日進舘
夜の露天風呂、姥苦湯 昼間であれば手すりの向こうに山も

 夜になってもう一度長寿の湯に入りに来た。
 お湯の調子を見に来たベテランスタッフが一番お勧めだという中央の苦湯に入ってみた。
 苦湯は非加水の姥湯と違い湧き水で加水してあるが、源泉の最も濃い位置から採取して、鮮度が落ちないうちに浴槽に注がれる。
 同じ万座でも例えば豊国館が複雑な変化球だとしたら、万座温泉ホテルの長寿の湯は速さで勝負の速球ストレートだ。重みは薄いが他に強い物がある。
 苦湯は真っ白に濁っている。
 そして長寿の湯の他のお風呂よりも粉のような濁りが強い。パワーがあるのにさらりと軽やかだ。

 またベテランスタッフは首の真後ろを指して、「ここまでお湯に浸かるようにして・・・口のぎりぎりぐらいまで入って良いから、そうしたまま3分間入っているんだよ」と教えてくれた。「3分が終われば半身浴でも良いから。とにかく最初に3分。これで体の循環が良くなるからね」
 言われたとおりにしていると、すぐに汗が噴き出してくるような気がする。
 決して熱すぎないのに体の中から温まりすぎて、いてもたってもいられなくなる。
 「そうそう、それからね、こういうところにあるものを・・・」彼女はいきなり湯口の下の浴槽の隙間に手を入れ、硫黄の粘土みたいな湯の花を掻き出した。「これを体の悪い部分につけるのよ」
 次に湯口にタオルを突っ込み、湯口にこびりついていた湯の花も掻き出した。
 それを見て、私たちの隣で入浴していた若いお姉さんが真似をし始めた。
 「後は飲むの。便秘にはよく効くわよ。それだけじゃなくて強い解毒作用があるから悪いものがみんな出ていく。毎日飲んでいる私たちのお腹の中は綺麗なんだから。でも普通の人は一杯だけ。一杯だけ手ですくってそうっと飲む。大丈夫ならだんだん増やしていくこともできるんだけど、勝手にやっては駄目。私が教えたとおりにしたらお腹を壊したって言われても困るから、一杯だけよ」
 何時のまにか苦湯に入っていた他のお客さんも固唾を呑んで聞いている。そして彼女の講釈が終わると、吾も吾もと湯口から源泉をすくって飲み始めた。
 苦湯の源泉は苦みと酸味のバランスが良く、薬だと思えば案外すんなりと喉を通った。

 スタッフが立ち去った後も、みんな湯の花をこそげ取ったり首までお湯に浸かったりしていた。
 まるでリゾートの浴場が一転して湯治場に変わったような雰囲気だった。