子連れ家族のための温泉ポイント
- 湯温★★★★☆ 泉質★★★★☆ 泉質はベビーでも特に刺激無し、湯温も熱くない、ただし黒いので怖がるかも
- 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 食事処は和室なので、ランチを食べながら休憩することができる
子連れ家族のための温泉ポイント
房総半島の真ん中、養老渓谷には思い出がある。
それは、昔、養老渓谷を目指して車を走らせたのに、渓谷を見られなかったという思い出。
房総は東京から近いはずなのに、道路の作り方に問題があるのか、渋滞がひどく、時間がかかる。
さんざん渋滞を乗り越えて、養老渓谷に着いてみれば、どこにも空いた駐車場がない。駐車場を求めてじりじりと進んでいるうちに、渓谷を通り過ぎてしまった。仕方がないので、海を見て帰った。子供が産まれる前どころか、独身時代の話だ。
だから、今回久しぶりに房総に来たとき、今度こそ養老渓谷に行ってみたいなと思った。
アクアラインからも近いキャンプ場をベースにしていたので、そんなに遠くないし、平日なので駐車場にも困らないだろう。もちろん温泉もある。
迷ったのは、黒い湯の「元祖 養老館」か、露天風呂のある「秘湯の宿 滝見苑」。どっちにしようかな。
少し空模様が怪しく、渓谷で水遊びとか、露天風呂が気持ちいいとかいう感じの天気ではなかったことと、千葉に多いという黒い湯に入ってみたいということで、「元祖 養老館」を選んだ。
養老渓谷方面へ曲がってしばらく行くと、派手な朱塗りの太鼓橋。
そこを過ぎるとすぐ。かなり年季の入った建物だ。
入り口に、入浴1,000円、昼食1,000円からと出ている。そこには書いていないが、両方頼むと、入浴を300円引いてくれる。
ロビーで料金を払い、昼食のメニューも選ぶ。入浴後に食事にする予定。
浴室は離れになっている。平安風呂と呼んでいるらしい。
浴室の周りは池になっていて、鯉が泳いでいる。水の中に浮いているようなイメージにしたかったんだと思う。
入り口の暖簾をくぐると、右が女湯、左が男湯。
子供達は二人ともパパと入るというので、久しぶりにゆっくり入浴できそう。
シンとしているので男湯、女湯とも、先客はいないらしい。
脱衣所はベビーベッドなど無いが、脱衣籠を置くスペースの横に座れる部分があり、まあ、ベビー連れなら、そこで寝かせて脱がせるしかないかも。
がらがらと戸を開けると、四角い浴槽。
黒い湯とは言っても、まあ茶褐色の濃いくらいだと想像していたら、まるで違った。
もう、笑っちゃうほど湯が黒い。
硯の中をのぞき込んだよう。
カランも古びている。窓の外も新緑は見えるが、特に景色が良いというわけではない。しかし、この湯の色はインパクト大。
浴室もそれだけで雰囲気を出すには半端に古びているが、新しく作った男湯とのしきり部分の竹垣などが感じよく、巧く調和をとっている。
急いで体を洗って、早速入ってみる。そんなに熱くない。黄色い鎖がたれている部分だけ、階段状になっているらしい。あとはいきなり深くなる。とは言っても、子供が立てないほどではない。
ただ、見ての通り、入ってみないと底の深さは判らない。男湯から子供達の「入れない~、怖い~」という声が響いてくる。
以前、長野の八方にある塩の道温泉でもおんなじようなことがあったな、と思い出した。白濁湯の場合は、底が見えなくても大丈夫なのに、暗色系の湯に子供は本能的に恐怖を感じるのか? 不思議。
とても柔らかいお湯で、私の嫌いなきしきしした感じが全くない。
墨かイカスミの中に入っているようで、面白い。
浴槽の底は、かなりぬるぬるして滑りやすい。
すくってみると、薄めたコーヒーのような色。ごくわずかに海苔のような匂い。
なめてもほとんど味はないが、壁に飲泉コップが備え付けてあったので、それで少し飲んでみると、昔、薄い塩水でうがいしたことを思い出すような、淡い塩味。
かけ流しだが、溢れる湯は、画像に写っていない手前っかわの浴槽の縁が低くなっていて、全部そこから流れていく。
のぼせたかなと思って、浴槽から出ると、もうその時点で、肌がとてもすべすべしているのが判る。その感覚がとても気に入って、何度も出入りしてしまった。
あがった後は、大広間で昼食。平日だったので、こちらも貸切状態。
このあたりは、しし鍋が有名。冬が旬だが、一応、通年食べさせてくれる。
露天風呂はないが、お湯的には大変お勧め。また、黒い湯が初体験の人にもぜひ。
このあと、養老渓谷上流の、秘湯の宿 滝見苑にもはしごしてみたが、まったく対照的なお風呂だった。
私的には、元祖 養老館がお気に入りだが、お好みでチョイスして下さい。