しあわせの丘リゾートキャンプ場日記
秋の房総・勝浦の旅

5.スカイスパゾーン

　外に出るとビュウゥゥ～と風に飛ばされそうになった。
　海に面した吹きさらしの屋上。
　空はこれぞ秋の快晴と真っ青に晴れ渡り、強い海風に持っていた白いタオルがはためく。
　長方形の大きなプールの横にリゾートらしい白い寝椅子があり、yuko_nekoさんがそこで呼んでいた。
　「こっちこっち」
　驚いたことにプールで泳いでいる人たちがいる。ほとんど寒中水泳だろうに。
　カナたちは流石に冷たいプールには入らず、その横にある温水の回遊式岩風呂で遊んでいた。ごくごく小さな流れるプールといったところだ。
　この辺のロケーションには見覚えがある。
　よくホテル三日月のテレビCMで流される場所がここじゃなかったっけ。

　他にも楊貴妃の真珠風呂(スクワランか何か混ぜてある)、酒風呂(日本酒入り)、バイブラバス(普通のジャグジー)、サウナなどがあるが、この風と気温だと、とりあえず乾いていれば水着で寒くは無いけど、一度どこかの風呂に入ったら最後、寒くて二度と出られなくなること請け合い。
　だから真珠風呂か酒風呂にちょっと興味はあったがついに入らずじまいだ。
　子どもたちはすぐに回遊式岩風呂にも飽きてしまい、何とか泳ぐためにプールに入ろうとするのだが、あまりの水の冷たさに、一瞬で上がってしまう。
　「これじゃプールの意味無いよ」
　終いには怒り出す。尤もだ。

　yuko_nekoさんはせっかくのリゾートな佇まいに似つかわしくなく、プールサイドで頭っから白いバスタオルをすっぽりかぶっている。
　「日焼けしたくないんだもん」
　よく判るけど、それじゃプールサイドにいる意味が・・・。

　快晴なので海を見下ろす景色は最高だが、このレベルじゃ男性陣が戻ってきても入館料を払うだけの価値は無い。
　「パパとがっちゃんに来なくていいって連絡しようか」
　「うん、そうしよう」
　yuko_nekoさんは電話を掛けるため、更衣室に戻っていき、私は「もう飽きた、つまらない」と文句たらたらの子どもたちを連れて下のアクションスパゾーンへと移動した。