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しあわせの丘リゾートキャンプ場日記
秋の房総・勝浦の旅

13.御宿の黒湯











 このお湯、とてもすべすべする。
 にゅるにゅるというのとはまったく違う。お湯の中で肌をこすってみると判る。お湯自体がすべすべとしている。
 にゅるにゅるも好きだがすべすべも好きだ。
 臭いは枯れ草の臭い。
 モール臭・・・なのかな。泥付き野菜を洗っているときのような枯れ草と土の臭いがはっきりとする。
 「養老渓谷あたりのお湯が黒いのは知っていたけど、ここも黒いんだ」という私に、先に湯船でくつろいで入らした女性が、「この辺りのお湯はみんな黒いわよ」と教えてくれた。
 「地元の方でいらっしゃいますか?」
 「まあ地元っていうか・・・半分、地元のようなものかしら」
 なんとなく、この辺りに別荘でもお持ちなのかもという印象だった。
 「ここのお湯はいいわよ。近くにクアライフ御宿もあるけどあちらは千円でしょ。ここは500円で入れるし」
 「というか、無料なんですか? タダでどうぞって言われましたけど」
 女性はふふふと笑って言う。
 「先月テレビのもしもツアーズで紹介されて、何だかよく判らないうちに土日は無料で入浴できるってことにされちゃったみたいなの」
 そ、そりゃあまあ何と剛毅なお宿ですこと。
 混雑してるって言うのは、要するにテレビで入浴無料ですなんて紹介されたからだったのか。
 でもその割に入っているのは地元っぽい年輩の人ばかりだ。テレビは熱しやすく冷めやすいから、もう既に混雑の波は去った後だったのかもしれない。
 ちなみに御宿天然温泉元湯が土日の日帰り入浴無料なのは、2006年の10月いっぱいだ。これを読んでその気になった人はお早めに。











 「でね、さっき伊勢エビを試食してきたのよ。今、御宿では伊勢エビ祭りをやっているから」と半分地元の彼女。
 「美味しかったですか?」なんて間の抜けた質問をした私に、横からyuko_nekoさんが「美味しいに決まってるじゃない、だって伊勢エビだよ」と突っ込んだ。
 そうかそうだよな、何たって伊勢エビだもんな。伊勢エビなんて滅多に口に入らないよ。
 ここで同浴した彼女も、御宿天然温泉元湯の受付の男性も、どうやら御宿の伊勢エビ祭りと、もしもツアーズのことを、当然私たちも知っているという前提で話をしていたようなので、最初のうちはさっぱり話がかみ合わなかったが、ようやく少し判ってきたところによると、御宿では9月初めから10月末日まで伊勢エビ祭りというのをやっていて、もしもツアーズと元湯の土日立ち寄り無料企画もそれに絡んだものだったのだ。

 お風呂は露天風呂ではなかったが、窓際にあり、ちよっと離れたところに外房の海が見えた。
 波が荒い。
 yuko_nekoさんが「見て見て」と言うので窓から外を見たら、堤防にぶち当たって派手に上がる波飛沫が見えた。
 窓際に近づいたついでに、yuko_nekoさんがお湯の中を指し示す。
 あれ、湯口とは別に、浴槽の壁から水みたいにぬるいお湯が出ている。
 もしかして・・・。
 「これ、源泉かな?」
 「それっぽいよね」
 湯口からは加熱した熱い湯が出ているのだが、ここも元々の源泉温度は20度足らず。全体として完全掛け流しとは思えないが、どうもこの壁から直接出ている分が生の源泉のようだ。
 おまけに窓から見える庭の隅には源泉井戸のようなものも見える。
 「うーんもしかしたらこのお風呂、大当たりだったかもね」
 「うんうん、タダだったしね」
 もう何も言うことはない。適度にぬるめだったこともあり、他の人が上がった後もついつい二人で長湯してしまったのだった。




お風呂場の窓からの景色・・ちと遠いけど海も見えます



庭に見えるのは・・・源泉井戸?




1-14夕暮れ刻の海へ続く


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